(写真:https://infinity-gakuin.org/)
THINK Global Schoolの日本版とも言えるのが、インフィニティ国際学院です。
2018年4月にNEC、フジテレビなどで活躍後、起業家として成功し、青森の八戸学院大学学長を務めた大谷真樹氏が国際社会で地位が低下していく日本で、世界で生きていくことができる若者を育成するために設立しました。大谷氏の著書「世界で学べ!」には、日本の現状とビジネスの最先端で働いてきた起業家の危機感が包み隠さず書かれており、一読をお勧めします。
THINK Global Schoolが様々な国籍の学生で構成され、英語でのコミュニケーションに不自由しない学生向けであるのに対して、インフィニティ国際学院は、海外経験が少なく、日本で英語教育を受けてきた情報発信系の能力(スピーキングとライティング)が弱い学生向けのプログラムです。
1年目にはフィリピンに滞在し、1日6時間、1対1の英語教員のトレーニングを受けます。2年目は約20ヶ国を旅しながら、自分と向き合い、進むべき方向を見見据えていきます。そして3年目は自分の進路に合わせた個別プロジェクトを自ら立案し、実行していく、という柔軟性の高いカリキュラムになっています。
日本の学校でここまで自由度の高いカリキュラムを用意できているのは、インフィニティ学院が文科省の定める「学校」ではなく、通信制高校のサポート校という位置づけであるためです。日本の高校卒業認定は、八洲学園大学国際高等学校の通信制の授業を取得することで得られます。学生は通信制カリキュラムを自分のペースで取り組み、レポートを提出していきます。
こうしたサポート校という考え方は、大学(講義と試験、学位プログラムなどを提供)とカレッジ(学生寮と家庭教師、学習施設を提供)の二重の学習環境を用いるオックスフォード大学やケンブリッジ大学で採用されている運営形式と似ています。
従来の入試対策予備校とは異なる、有意義なプロジェクト経験を積むことができる学習環境を提供できるサポート校の充実は、画一的な一斉授業を行う普通高校から、より深い探究学習をしたい一部の学生を「通信制高校 + 学習環境をコーディネートするサポート校」への組み合わせへと移動させていくでしょう。
インフィニティ国際学院のもう一つの特徴は、豊富な国際経験を有する経営者、起業家、冒険家、アスリートなどの社会人がサポーターとなり、毎週、学生に講演する特別授業を行なっていることです。こうした実社会で活躍している大人とこれだけの頻度で接点を持つことは日本の普通高校では難しいでしょう。
(インフィニティ国際学院のサポーター一覧はこちらをご参照ください)
学費は八洲学園国際高等学校の費用、海外研修費と寮費も含めて年間約380万円~400万円程度と国内のインターナショナル・ボーディングスクールとほぼ同水準に抑えられています。一学年20人という少数主義で、運営する方針です。