THINK Global School 概要

(動画:THINK Global School Youtube チャンネルより、入学希望者へのメッセージ)

2014年に設立されたTHINK Global Schoolはその名のとおり「世界が学び舎」の高校です。ミネルバ大学は4年間で7か国に居住しますが、この高校は1年間に4か国を旅して、各国に約8週間滞在しながらその国の歴史、社会、政治などをテーマにしたプロジェクト学習を実施します。この学校は公式Youtubeチャンネルが充実しており、様々な国でのアクティビティの様子が確認できます。

例えば、2019年度の2年生が日本で取り組むテーマは「電力供給方法の最適化」です。学生はNPO、電力会社、一般市民の3つのグループに分かれ、それぞれの立場から日本の電力供給源(原子力・火力・水力・太陽光・風力など)の最適化について探究します。8週間のプロジェクトの最後には、日本の地方自治体職員とNGOに対して、探究結果に基づく提言を行う、という内容です。

プロジェクト学習以外にも滞在地での提携先であるホスト校の施設を使い、理科の実験などを行ないます。学生は1学年40名(2クラス)。教師は約10名/学年で学生の旅に同行します。米国のWASC(Western Association of Schools and Colleges)の加盟校で同校を卒業すると米国大学をはじめ、世界の主要大学で学べる卒業資格が得られます。

2017年の最初の卒業生達は、オックスフォード大学やハーバード大学、ミネルバ大学など世界のトップ大学に合格しています。開校当時は国際バカロレアコースも採用していましたが、現在はより制約の少ない独自カリキュラムに絞っています。ちなみに国際バカロレアプログラムを採用していた時の学校平均点は36点で、採用校全体の平均である30点を大きく上回っていました。

学費は8.55万ドル(約940万円)ですが、実際には家計の財務状況に応じて学費が決まる仕組み(Need based Tuition)を採用しており同校のウェブサイトで試算できます。あくまで目安に過ぎませんが、日本の50代の年収の中央値500−560万円をモデルに3000万円ほどの貯蓄を持っているベースで算出した結果、実際に支払う学費は1.42〜2.133万ドル(約156万〜236万円)という試算結果でした。THINK Global Schoolは独自に設立した財団からの寄付金により、多様な所得階層からのアクセスを可能にしているため、このような財務支援制度が可能とのことです。

入学試験は学力だけでなく、志望動機や自分の学習計画の提出、入学審査官と実際に教わる教員の2回の面接を経て決まります。世界中を旅しながら学ぶ学校だけに、面接は随時受け付けており、自分の国の近くにきた時に実施できる、とのことです。

授業は英語で科目学習はオンラインとオフライン、深い異文化経験が得られる探究プロジェクトは同校が掲げる“Change the way you THINK”を実現するカリキュラムだと言えるでしょう。