ミネルバ大学 現役生インタビュー

※本記事は日本語非公式サイト(現在は閉鎖)に掲載されていたミネルバ大学のFounding Class Student(1期生)である李一格さんのインタビューを編集したものです。インタビューは当時、日本事務所にインターンしていた藤井さん(同志社大学4年ー当時)が行いました。ミネルバ大学では、過去に様々な学生達がインタビューを受けており、Youtube等で視聴可能です。合わせてご参考ください

—–インタビュー記事—–

李さんは北京第四高校の特進クラスという中国でも有名なエリート校を卒業し、2012年のハーバード大学模擬国連大会のベスト・スピーカー賞を受賞したり、中国国営放送の教育に関する番組でパーソナリティーを務めた経験を持ち、自身の教育に関するエッセイ集を3冊も出版しています。

ミネルバ大学に在学中の現在もドローンを使用した新撮影技術を提供するベンチャー企業の役員や中国でのエンジェル投資ファンドでインターンをするなど、多種多様な課外活動にも積極的に関わっています。

そんな素晴らしい経歴をを持つ李さんが、アイビーリーグのトップ校に合格する実力は十分あると言われながら、なぜミネルバ大学の1期生となる道を選んだのか、その過程やミネルバ大学での学生生活などについてインタビューしました。

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ラジオに出演している李さん(写真左)

藤井(以下F):ミネルバ大学を受験する前、この大学にどんな印象をもっていましたか? 心配だった点などあれば教えてください。また、もっていた印象は入学後変わりましたか?

李(以下L):
ミネルバ大学については高校卒業後のギャップイヤー中でアメリカにいた時に雑誌記事を読んで知りました。直感的に、強い興味と感銘を受けました。

ミネルバ大学がやろうとしていることは、これからの時代のニーズにとてもあっている、と思いました。自分の自由な時間を持つことができ、様々な国や都市に暮らし、異文化を吸収することができます。カリキュラムは多様性に適合する能力を学生に求める新しいもので、これからの国際社会を生き抜く上で役に立つと感じました。

入った後の印象について…あえて言うなら、
”Achieving Extraordinary”(ミネルバ大学のブランド・メッセージ)というのは、ちょっと言い過ぎかな、と思います。(笑)

今年(2015年)の4月までサンフランシスコにいたのですが、全ての経験が新しく、日々進歩していました。私達は第1期生で、これから来る生徒達がより良い経験を得られるように斬新なプログラムの試行錯誤に関わることができたのです。

素晴らしい人達と新しいものを創っていく機会は、なかなか無いですから、とても良い経験ができたと感じています。良いコミュニティの一員になれて嬉しいです。学校と共に、自分自身も進化していくことが感じられたし…

だから、入る前と入った後でのギャップは無いですね。

 

F: ミネルバ大学の学習方法でユニークだと思う点はありますか?

オンラインで授業をするというのは、ユニークですよね…一緒に同じ場所に住んでいるのに、授業の時、みんなそれぞれのPCの画面を見て授業に参加するというのは、少し不思議な体験です(笑)

個人的なことですが、私の強みは1対1の会話の中で相手との関係を構築するインター・パーソナルスキルにあると認識しています。その強みを活かすには、相手の感情を繊細に把握する必要があります。初めてこのオンライン授業を受けた時に、そういう自分の強みが消されてしまうのではないか、と心配していました。

でも大事なのは、これからの世界では、こうしたテクノロジーにも積極的に対応できる能力を持つことが必要なんです。30年後の世界を想像してみてください。情報技術の発達によって、コミュニケーションは国家の境界を越えて繋がっていきます。こうしたことを可能にするテクノロージを、どうやったらより有効活用できるか、私は自分自身で体験しながら見つけていきたいのです。私は80歳になっても、いろいろな人と1対1のコミュケーションをしていきたいので、テクノロジーの進化に対応して、自分のスキルを向上させたいんです。

そういう意味では、授業内容だけでなく、新しい授業スタイルに自分を合わせていくことが求められるという点が1番ユニークな点ですね。