実践的な知恵は次の4つのコンピテンシー(核となる能力)で構成されます。
(図:4つのコンピテンシー)
各コンピテンシーはさらにいくつかの“思考の動作”に分類できます。
これは、各コンピテンシーを実現する上でおさえておくべき内容になります。
(図:各コンピテンシーを構成する思考動作)
そして、それぞれの“思考の動作”は、複数の“考え方の型”(下図では“コンセプト”と表示)で構成されています。思考動作を実施する際に、こうした“考え方の型”を意識しておくと、より適切な判断やコミュニケーションが導かれます。
(図:情報判断力の思考動作とコンセプト:一部のみ)
私は、こうした“考え方の型”は様々な教育機関や企業が、それぞれの実現したい人材像に基づいて、体系化していくことが望ましいと考えています。
ミネルバ大学では、現在約80項目に集約されていますが、2012年に開校準備していた時には、200項目以上ありました。そこから、より汎用性の高いものに絞り込んだ結果、現在の数に至っている、とのことですが、それでもまた取捨選択、あるいは、追加すべきものがあるように思います。
このコンセプトを最初に編纂した初代学長のコスリン教授は、こうした“考え方の型”について次のように述べています。
“ミネルバ大学では実践的な知恵は常に学生、教員、スタッフ、学外の協力者からのフィードバックによって更新されている。世界は常に変化しており、実践的な知恵のリストもまた、常に進化させなければいけないし、そのプロセスを止めるべきではない。しかし、世界がどんなに変わろうと、我々が目指している “学生に変わりゆく世界で、卒業後も成功し続けるための知的ツールを提供する”という目的が変わることはない。”